最近、『 医療と介護の連携 』 という言葉を目にする機会が多いです。それには問題や課題もたくさんあります。介護会社に役員として携わっていたり、医療機関を専門とする会計事務所の所長をしていますのでとくに気になる言葉です。
先日、監査役をさせていただいている介護会社が運営する有料老人ホームを訪問してきました。 朝の10時に最寄りの駅で他の監査役お二人と待ち合わせほぼ半日じっくりと見学&お話を伺うことができました。
普段の監査や税務の仕事とはちょっと違う1日でした。
高齢者の方々の人口は年々増えております。にな現在65歳以上の人口が5人に1人、15年後には3人に1人なるという予想もあります。
そのようななか、高齢者を介護する施設系サービス、特別養護老人ホームや有料老人ホームは不足してるのが現状です。
本当に望まれる介護サービスとはどのようなものなのか… 施設を利用されている方、運営事業者双方がベストな形を探っているというのも、もう一方の現状です。
そんな問題意識をもって訪問させていただきました。
その施設は、箕面市の駅近くにあり環境も交通の便もよい立地条件にあります。
訪問して最初に気づいたのは、挨拶がとても心地よく交わされているということでした。
きちんと相手をみて、今自分が相手に何をすべきかをきちんと考えておられ、それがこちらに伝わってきました。
利用者の表情から、体調などいろいろな情報を察知し適切な行動をとるというのは、介護職の方に言わせれば当たり前かもしれません。しかし、その様子を見ていると、優しさとはこのようなことをいうのだなと、頭が下がる想いです。
案内してくれたのはケアマネージャーの女性の方でした。利用者のケアプランを作成されておられるからかもしれませんが、利用者一人一人の情報をとてもよく把握されています。「同じような行動でも、利用者の状態によっては違うシグナルを発している場合があるので、毎日毎日の積み重ねが非常に重要なんです。」 とおっしゃっていました。
さらに、「その情報はスタッフ全員にきちんと共有される必要があり、マニュアルをまもるのは当然ながら、万一の漏れがないよう現場の工夫に力を注いるんです。」とも話しておられました。
利用者の動線を意識し、特に車椅子での移動がスムーズにいくような工夫も随所にみられました。
印象的だったのは、休憩スペースで一人外を眺めて座っておられる利用者に、スタッフが優しく肩に手を当て話しかけていた姿でした。目の前にいる利用者のためになりたいと懸命なスタッフがいました。
日本もいよいよ高齢化社会の時代に入りつつあります。介護保険制度ができて10年経ち確実に業界の形が出来つつある!と実感した一日でした。
高齢化社会に向けて、自分の生活の中で “身近なことから”・“出来ることから”はじめていこう!と気持ちを新たにしました。
さらに、専門家として “今求められていることは何か”・“出来ることは何か” 考えるとても良い機会になりました。