ご自身が経営しようとする医院をイメージしていきましょう。

駅の近くにするか、住宅地にするか。テナントに入居するか、ご自身で建設されるか。

どのような治療方針にするか。信頼ある医療のため必要な医療機器やスタッフの人選。

開業実現のためにどのような費用が必要か検討していきましょう。

まず家賃です。

たとえば、テナントビルでは毎月の家賃のほかに、入居時に保証金が必要になります。

保証金の金額はまちまちですが、毎月の家賃の8ケ月から1年分くらいではないでしょうか。もちろん、入居時に一括して払い込みます。

次に内装です。シンプルにされるのか凝ったつくりにされるのか。

ほかに高額なのもでは空調工事や、待合室のソファー本棚カウンターなどの備品などがあります。

ホームページや看板作成も高額であり、さらに医院のイメージを大きく左右されますので業者とのミーティングなどに時間も必要となってきます。 

医療機器は、診療科目によって大きく違いますが、先生のご専門によっては、高価な機器を購入する必要があるかもしれません。でも他の機器については安価なもの、あるいは中古にするということも考えられます。

医療機器購入について先生方からよく質問されますのが、新品と中古のどちらにした方がよいか、ということと購入とリースのどちらがいいのかという2点です。

新品と中古の税金での取扱いの違いは、償却する期間が異なるということです。

開業後の税金がどのように決まるかの話になりますが、税金は利益すなわち売上から費用を控除した金額に税率をかけて計算されます。税金対策としていかに費用を増やしていくかが重要になります。

機器を購入した場合、その金額の全部が費用とされるわけではありません。税法で決められた一定の年数で費用に計上していくことになります。例えば、税法で5年と定められている機器を100万円で購入すれば、購入した年度に100万円の費用とできるわけではなく、年間20万円ずつ5年にわたって費用に計上していくということになります。

もし、中古で取得すれば、仮に税法で5年と定められていても製造されてから何年たったかによって、費用に計上する年数が短縮されるのです。例えば、2年と短縮されれば、年間50万円ずつ2年にわたって費用に計上していくということになります。

すなわち、新品より中古のほうが、早い期間で費用に計上できるため節税効果が大きいといわれています。 

購入かリースかですが、そもそもリースとは、リース会社が購入代金を支払って自分のものとし、それを先生に貸すというものです。リース会社は、購入代金に手数料を加算して通常は5年ほどの分割で先生から支払いをうけます。つまり、購入した場合に比べ、リース会社への手数料部分の支払金額が大きくなります。

銀行から借り入れた金額が機器の購入に不足する場合や、十分な借入を行えたが開業後の資金繰りのためできるだけ資金を手元に置いておきたい場合、リースが適しています。

医院開業後の経費の支払いに必要な資金(運転資金といいます)も必要です。開業当初は売上が見込みにくいということと、社会保険や国民健康保険に請求した金額が先生の口座に入金されるのは2か月後、つまり最初の入金があるまでの運転資金は確実に手元に置いておきたいということです。いろいろ出費もかさむ時期です、大目にみて半年から1年分の経費に相当する額は開業時にご準備して下さい。

開業後の経費で大きなものは、薬剤の仕入れ、スタッフへの給料、家賃です。特に、スタッフへの給料は、開業当初の診療体制を実現するため看護師、事務等職種別の人数、周辺の相場を鑑みながら給料水準を決めなければならず、迷われるところです。

ご準備できる資金の範囲内でしか費用は使えません。開業をお考えの先生は、現実の資金の制約の中でなんとか理想とする診療体制を整えようと奮闘なさっています。必要なところにお金をかけそれ以外のところは節約する、言葉にすれば当たり前のことですが、塵も積もれば…という諺どおり、費用はふくらんで行きがちです。

当事務所では、先生との話し合いを重ねながら、専門家として先生の理想を数字に落とし込み、状況に応じて何回も事業計画を練り直し、先生の理想とする医療体制を築けるようサポートさせていただきます。

 

 

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