現状の理事報酬がはたして妥当な金額なのかどうか、また変更を考えているがどのくらいの金額でいつ変更すれがいいのかでお悩みの先生は多いのではないでしょうか。
理事報酬の妥当な金額といいましても、決まった算式はなくそれぞれの法人の事情を総合的に判断した上でとなります。とはいえ、考慮すべきポイントはいくつかあります。
まず、報酬に対する所得税の税率です。所得税は課税標準が900万円を超えれば33%、そして1800万円を超えれば40%の税率になります。対しまして医療法人は課税標準が800万円を超えれば30%です。税率だけから考えた場合、報酬を小さくして法人の利益を大きくした方がその年度の税金は安くなります。
次に、生活に必要な資金はどのくらいかです。住宅を購入する予定があったり、ご子息の学資が必要など大きな資金が必要な時は特に注意が必要です。
さらに、法人の利益の見込みです。診療報酬の改定による増減や以前の設備投資の効果が今年に出てきそうなどの事情に応じて利益見込みをします。利益見込みが増加すれば報酬を増大させることも可能になってきますが、減少する見込みであれば報酬も検討すべきでしょう。
以上は短期的な要因ですが、長期的な要因としましては、理事退職金としていくらぐらい準備するかがあります。退職金は税金上非常に優遇されております。従いまして、税金だけから判断すれば理事報酬としてより、将来の退職金としてもらうほうが税金は小さくなります。生活に必要な資金との兼ね合いになりますが、退職金の原資をためるためには長期的な準備が必要です。
もうひとつ長期的な要因として、生命保険の保険料があります。院長先生に万が一があった場合の退職金原資として、また後継者が経営を軌道にのせるための資金として、どのくらい必要かを考えます。もちろん、万が一の場合だけでなく、退職金原資としての利用も可能です。
理事は院長先生だけではなく、奥様やご親族が常勤または非常勤の理事に就任されておられますので、そのバランスも考慮します。
理事報酬を変更する際に注意をしなければいけないのは、法人税法上変更は年一回に限られるということです。
特別な事情なく期の中途で増額した場合、その増額した金額全てが費用と認められなくなりますのでご注意を。
反対に減額した場合、元の金額との差額の全てについて同様です。
よって、社員総会時においてのみ変更するようにして下さい。
一方、これらの規定を順守すれば自由度がきくのは事実です。
今まで述べましたバランスを考えながら決定していきましょう。
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◆井上恵仁公認会計士・税理士事務所です◆
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