消費税の納付額の計算方法ですが、売上に含まれている消費税から、仕入や経費に含まれている消費税を引いたものが納税額となります。例えば、110万円の売上のうち受け取った消費税が10万円、支払った経費88万円のうち支払った消費税が8万円とすると、差額2万円が納税額となります。インボイス制度になれば、8万円を差し引く際に、税務署に登録した事業者が発行した請求書(インボイスといいます)に基づかなくてはいけなくなります。つまり、取引先が税務署に登録していなければ8万円を引けなくなるのです。
ということは相手先が登録をすれば問題がないということになるのですが、今まで売上が1000万円未満の事業者は免税事業者といって消費税を納付しなくてもよいとされていました。ところが、インボイス発行事業者として登録すれば免税を受けることができなくなり消費税を納める必要が出てきます。取引先からはインボイスに登録してといわれ、登録すれば消費税を納付しなければならず板挟みになるわけです。
クリニックの場合、消費税の課税対象となる自費収入や予防接種収入が1000万円未満のところが多いと思われます。ただ、売上先というのは患者さんで消費税の計算をしませんので、特に急いでインボイスに登録する必要はないのではないでしょうか。